空き家は大きな問題です。と、今まで偉そうに言い続けてきました。岐阜の空き家対策のNPOにも入り、活動・・・しているふりをここ数年続けてきました。

これじゃいけないと思い、自社で空き家を一棟買って再生してみることにしました。一つ一つ検証しながら時間をじっくりかけて。

昭和から平成初期の建物

昭和から平成初期の建物の一部(結構多いと思いますが)は図面があってないようなものです。

「そりゃ、古いから図面はもう手元にないだろう。」ということだろ。と思いますよね。違います。

図面があっても図面通りでないということです。筋交いが図面で書いてあっても、筋交いがない。梁がくっついていると書いてあってもくっついていない。今では考えられない状況です。

また、管理されているようで管理されていない物件が多々あります

私も20年以上前に工務店で現場監督をしていた時期があります。すでに一級建築士の免許は持っていました。しかし現場監督とは名ばかりで、毎日3トン車に乗り込み、お大工さんから指示があった材料を運び、掃除をして帰ってくるという日々でした。

現場をしっかる見てくるなんてそんな時間もありませんでした。

予想はしていたものの、解体して改めて実感

今回は、自分の手である程度解体してみようと、バールと金づち のこぎりをもって現場へ。

自ら壊すと解ることがいっぱいあります。

昭和40年代の家は土壁が厄介なだけで、天井や床、特に畳の間は簡単に解体できます。また、いいか悪いかは別として、無断熱ですので断熱のゴミが発生することもありません。

今回の物件は、平成に増築をしており、その部分は確認申請書と図面がありました。

昭和に建てられた部分はあきらめていたものの、平成に建てられた部分は期待していたのです。図面には筋交いが入り断熱材もはいっていた、図面には。

予想はしていたものの、梁の高さが足りない。

1階の増築された部分を壊してみると、えっ、筋交い入っていない? 図面に書いてある半分程度しかない。なんやこれ、筋交一本そんなに高いか?

現場から帰って図面を改めてみてみるとやっぱり違う。

図面には「一級建築士事務所〇〇」と書いてあるし、自社施工と聞いていたので、信じていました。

2階はどうだ?

頭によぎったのは。「平成に増築された二階の様子は?」ということ。

当初の計画では、2階部分は解体せずに内部にもう一段壁を作ってその部分を断熱補強を行い予算を抑えようと思っていました。

ちょっともやもやと考えていた時、背中を押してくれたのは、坂口大工でした。

「2階の内壁めくりましょうか?」

その様子がこちら。

2階壁を壊す大工さん。

めくってみてやはり図面通りの筋交は入っていないし、防水収まりの手抜き個所はあるし、ただ断熱材の結露やカビの状況は予想よりも少なくちょっとは安心しました。多分 軒がきちっと出ていたのであまり外壁に雨が当たらなかったことと断熱が内壁にくっつくようにきちっと入っていたのが功を奏したかと思います。

知識が空き家再生の邪魔をする?

今回の空き家再生の目的は安価に良い住まいを提供することでした。

価格目標は土地込みで周りの安めの建売住宅よりちょっと安い金額。それでもって、デザインや仕上げはいつものタマゴグミ仕様、外構も間取りもガラっと変えること。

平成増築部分。解体したら無断熱・・・断熱くらい入れてもバチは当たらんだろ!

だから、決めていました。現状をあまり触らない。そのまま使うと。売価優先で行こうと。

ダメでした。

構造計算をすると、大幅に梁の強度が弱いところがわかりました。現状は傾いているわけでもありません。傾きは全体で5㎜ 精度からしたらよいほうです。

構造計算をかけるから欠点が解ってしまいました。構造計算をしていなかったらそのまま施工した個所です。

温熱計算や結露計算をするから断熱補強や気流止めをしなければいけないことがわかりました。

そんなん、昭和の空き家だからと言い切ってしまえばやらなくていいのかもしれません。

自分で解体してみたから、コンクリート基礎の不安や手抜き工事や図面との相違が見えてきました。

基礎のやり直しや、手抜き工事個所の補修など 多分数十万で効かない金額が余分にかかるでしょう。

はじめからわかっていたことです。

まじめにやるから空き家再生なんて不可能なんだ。だって、壊して建て直した方がはるかにいいのだから

思いっきり愚痴りましたが

実は結構面白いです。

問題が起きるたび、いろいろ考えながらどんな方法で解決しようかと考え実行に移せます。

また、大工さんや業者さんも積極的に協力いただいています。それもこれも、「今までにない安価で面白い空き家再生を行う!」という私のハッタリをみんな信じていてくれるからです。

途中 写真や動画をいっぱいとっています。少しづつアップしていきますのでお楽しみに。

空き家購入をお考えの方へ

空き家を買う前に必ずプロに相談してください。最近は建築士が事前に確認している物件もありますがあくまでも図面と表面上からの判断です。できれば、改築してもらう業者を決めて、その業者に見てもらってください。

彼らは施工する大変さとリスクを知っていますから、その観点から具体的に提案してくれるはずです。