棚やお庭、スピーカーまで手作り、そして机は自分で設計してしまうデザインにこだわったご主人。家づくりのときは、岐阜の名の通った設計事務所もいくつか検討されていたようです。 私が不思議になり「なんで、最終でタマゴグミにしたのですか?」と伺ったら、「リアリティーがあるデザインだったから。」つまり、生活が想像できるプランを提案していたことが要因だったようです。

そういえば、設計事務所に勤めていた昔、私も色々やっていたことを思い出しました。岐阜の街中で設計した鉄筋コンクリート4階建てのお宅では「階段が天まで真っ直ぐ突き抜ける感じを造ろう」と階段部分を全てガラス張りにしたことがあったっけ。お客さんから「どうやって掃除するの?」といわれて、苦し紛れに「プロで・・」と答えたりして。。

10年程度で、資本を回収する店舗やカフェならやっていいデザイン。しかし住宅は40年60年というスパンで考えなくちゃいけない。となるとなかなか冒険できない自分がいます。

さて、まずは仕様を。

構造:岐阜県産材(性能評価材)の杉とヒノキの柱と梁 構造用面材(モイス)と筋交のハイブリッド構造 基礎は一体打ち工法

断熱:壁=セルロースファイバー 屋根断熱=フェノバフォーム90ミリ 基礎断熱工法

外部仕上げ: 壁=ガルバリウム鋼板一部杉貼り 屋根=ガルバリウム鋼板 木部=県産材ヒノキ(一部杉)キシラデコール塗装

内部仕上げ: 壁=水性塗装 和室は珪藻土 天井=水性塗装 一部シナ合板突付仕上げ 床=杉無垢(四国産)・桧無垢板 荏油仕上げ

ビオソーラー(太陽熱集熱パネル)採用

敷地面積:78坪

述床面積:31.7坪

性能:Ua値 0.53 外皮性能 HEAT20 G1レベル

完成:2017年

スタートは土地の問題解決

ご実家の隣の土地に計画をしていたのですが法規的に色々問題がある土地、その解決から始まりました。大きな土地でしたので、どのように分割するのか 分割したどちらの土地に建てるのがいいのか 排水はどうなるのか・・・

細部については書きませんが、色々走り回り、専門家を頼り何とか解決できました。お客さまからは「あのとき、色々協力してもらって頼もしかった。」とご感想をいただいてますが、正直なところ私もはじめての経験ばかり、やりながら色々学ばせていただきました。

家づくりのポイント
家を建てるときは、土地の法律はもちろんのこと、資金計画、税金、贈与や相続なども絡んできます。建築屋は資金計画以外でも「確か税務上こんなことがあった。」とか「将来の相続にこんな問題が発生しそう。」といった大体のことは何となく把握しています。家を建てるときは、出来ればご兄弟や親さんの関係、土地の権利について等を相談されるといいと思います。私の場合は、難しい問題は周りのプロたちに振って問題を解決してもらっています。

居間の吹き抜けは

居間の上は吹き抜けになっています。吹き抜けの周りは部屋とオープンスペースがひとつ。このお宅に吹き抜けをつけた理由は2つあります。1つは南の隣家が近いのでもしかしたら1階の窓はカーテンで閉まりっぱなしになるかもしれないと思い、上部から光を取り込むためです。もうひとつは、ビオソーラーを設置したので空気が1階 2階ともよく回るようにするためです。

奥様に伺ったところ「吹き抜けがあると、上に子供たちがいても声が聞こえてお互い寂しくなくていいみたい。なんか家族の一体感があっていい。」とおっしゃっていました。

正直なところ、吹き抜けにはデメリットが沢山あります。暖かい空気が上に上がっちゃうので寒い(寒く感じる)、音が筒抜けでプライバシーが無い 吹き抜け分だけ床が無いので損した気分になる そして水平構面を分断するので強度的に不利 という点が主です。

しかし吹き抜けにはそれらのデメリットがあっても、不思議な魅力があります。 なぜかボ~っと上を眺めてしまう魅力 光が壁に当たる美しさ 家族の気配を感じる瞬間、だからついついお勧めしてしまいます。

ちょっとあがった和室をつくってよかった

居間の隣に30cmほど床が上がった和室があります。大きさは6帖。それに押入れと文机がついています。天井は低めの2メートルちょっと。この高さが結構落ち着くのです。
奥様いわく、普段は開け放てる引き戸を開けっ放しにしています。そうすると、子供たちがそこで遊んだりごろごろしたり、いい空間なのです。先日友達が泊まっていったのですが、そのときは建具を閉め切ればひとつの部屋になります。泊まって行った友達がなんか特別な部屋みたい。と言ってましたよ。

そしてもうひとつ、畳下の引き出し。これ結構使い勝手がいいのです。子供のおもちゃとか着替えとかタオルをいっぱいしまえるのです。

けどちょっと、残念なことも

サンルームはちょっと残念だった

設計のときに色々と考えながらつくったサンルームですが、ちょっと残念なことが。洗濯機やキッチンから近い導線はばっちりですが、夏暑くて冬寒い。(屋根と壁つきの外扱いということで断熱をあえて抜いていました)食品等のストックが出来ないので、やっぱりまともな部屋として造ればよかったっと思っています。(奥様談)

Point
サンルームはなかなか難しいです。写真 サッシ奥がサンルームです。ちなみに左がキッチン右が脱衣兼洗濯場です。2帖くらいのサンルームを閉め切って家族の一日分の洗濯ものを干すと100%乾きません。それは湿度が限りなく100%に近づき洗濯物の水が蒸発しないからです。このことはお伝えしていましたので、干すときは窓を開けて頂いています。ただ、このように部屋のように作るとやはり「部屋」として使いたくなるのは当然です。今回はコスト削減のためにサンルームは仕上げをせず、断熱も一切していませんでした。設計時のつめが甘かったといわざる得ません。反省点です

2階の将来子供のために使う部屋は

まず写真を見てもらいましょう。

将来、この部屋を2つに割ってお子さんが使用する部屋なのですが、今はシアタールームに。ご主人お手製のスピーカーが5つ付いて、天井にはプロジェクターがぶら下がっています。そして部屋の中心にはデンと椅子がおいてあります。配線や取り付けも全てご主人のDIY、凄いです。

これをみたとき、いい部屋の使い方をされていると思いました。私は家には子供の居場所より大人の居場所をきちっと造るほうが大切だと思っています。その理由は ここに書きました

上のお子さんが、ご主人に「私の部屋がほしい」と訴えたそうです。そのときご主人は「じゃあ、シアタールームなくなっちゃうけど、いいの?」と聞いたそうです。お子様の答えは「私の部屋、まだいい。」でした。

大人が楽しんでいる家はきっとよい子が育つ。私の持論です。

こんな工夫も

写真はオリジナルキッチンの引き出しの中です。お皿が上手に収納されています。オリジナルキッチンは、杉のパネルとステンレスや人工大理石で出来ていてカッコいいキッチンです。しかし、収納はショボイ。メーカーさんのキッチンに比べると半分くらいの収納力です。(設計側がもっと工夫しろよ、ということですね・・)

オリジナルキッチンを入れられたお客さまのところに行くと様々な収納アイデアがみられて結構楽しいのです。

そして階段には

階段の証明がペンダント照明(天井からぶら下げるタイプ)になっています。通常はブラケットといって壁にシンプルな電球を取り付けているのですが、こんな感じの照明もいいなと感じます。

玄関にはちょっとした物置と飾りが。 何気ないものが結構空間を引き立てていますね。

そうそう、屋根の上には

ビオソーラー。 このパネルが太陽の熱を集めて床下に暖かい空気を送っています。設置して1年目の冬はあまり効果を感じなかったそうですが、2年目からは効果を感じられているようです。(※多分1年目は基礎が冷え切っていたか、基礎の水分量が多くてそちらに熱を奪われていたからかもしれません)

夏も、夜や朝方の涼しい風を送り込むので結構快適なのです。 ビオソーラーの説明はここをクリック。

最後に外の居場所を

建物の隣には大きなポーチが。

こんな感じで子供たちが遊ぶ場所があります。ここは雨が降っても大丈夫。贅沢な場所ですね。

気候のよいときは、フルオープンサッシを全開にして風を感じながらすごせます。私はフルオープンサッシにカーテンの組み合わせはあまりやらないのですが、風に揺れるレースカーテンを見ていると、これもいいかもと感じました。

このお宅の見学会を11月24日に行ないます(終了しました)完全予約制ですので、詳しくはこちらを見てください。

岐阜市太郎丸で住んでいる家見学会

こんな家づくりをしているタマゴグミが作っている家づくりの勉強セットがあります。詳しくはこちら⇒ 家づくり勉強セット