先日、岐阜の建築家のお宅にお邪魔しました。その方は代々続く岐阜の町屋に住んでいらっしゃいます。土間の奥に食堂と中庭を挟んで茶室があります。その渡り廊下の写真が下です。

半外空間。冬は寒く夏は暑い。大雨が降れば雨もかかる。けど、通常の雨なら全く問題が無い。50年以上は経つ杉の床板。その建築家はこの場所を「豊かささ」と表現されました。

高山で見た古い家の様子。こういう場所があるとついつい出て座ってみたくなります。

新潟で見た大きな家の外廊下。なぜ、中ではなく外にこんな廊下を造ったのか?ただ、この空間は内部と外部を優しくつなげている役割をしていると感じました。

無駄な空間は余裕を生む

その建築家は今でも住宅設計をするときに、このような空間を作るそうです。それがきっと住まい手の人生観を変えると考えているからです。

で、タマゴグミは・・・人生観を変えるまでの力はあるかわかりませんが、こんな空間を造っています。

ぐるっと周りに軒を出したお宅。建ててから5年以上経った様子です。なんと、コタツまで出ていました。

庇を2メートルほど出してお庭につながる濡れ縁を造りました。お客さまに伺うと、ここによく出てお酒を飲んだりボーっとしたりしているそうです。

こんな感じのものも造りました。まだ施工中の写真ですが中庭を囲むように屋根付の濡れ縁があります。

このような空間を造ってたまに言われること

このような空間をご提案したり見ていただいてたまに言われることがあります。「これを無くせばもう一部屋は簡単に作れたのにね。雨の日の洗濯干しにしてはもったいないね。」

そうです、これを造るコストは部屋を造るコストの半分近くかかっています。この部分を削れば簡単に3畳の物入れや、4畳半の部屋なんかが出来てしまうのです。

そしてここを洗濯物以外で使う時間はというと・・・・月に2回1時間ほどこの場所でくつろいだとすると、年間24時間。家にいる時間が1日12時間とすると、なんと全体の5%程度の時間のための空間なのです。たったそれだけのために、あなたは3畳のものいれ、4畳半の部屋を諦めさせられるのです。

それでも提案し続ける理由

雨の日や雪の日に窓を全開にしてすごすあの雰囲気、月夜に濡れ縁に座りお庭を眺めながらお茶やお酒を飲むあの感じ、春や秋に枕だけ出して寝転び本を読む心地、そんなことを知っているからです。

たった5%の時間のために造る空間が本当に心地よいのです。5%の時間が残り95%の時間に大きな影響を与えることも知っているからです。

これは玄関先の庇です。

これも無しにして、小さな庇を玄関扉上につければ十分なのかもしれません。

ただ、雨の日お客さまがここで傘をたたみながら「凄い雨ですね。」と会話する一瞬。台風のときなどに、玄関からちょっと外の様子を覗き見する瞬間。そんな経験がなんか豊かさを作ってくれると思っているからこんな場所を提案しています。

あなたはどう思いますか?

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