昨日、家づくり勉強会を開催しました。その中のひとつのテーマが家族内の意見の調整でした。
参加された方に恐る恐る聞いてみたのです。「家づくりでもめたことは?」と
するとさっと答えが返ってきました。「しょっちゅう喧嘩ですよ。」 やはりそうですか。

家づくりでの喧嘩 私の場合
私は家を10年以上前に建てました。計画は約1年、何にかかったかというと、土地選びです。2人の子供も小学校高学年。よって条件は学区、少なくとも中学校区を出ないこと。
簡単に見つかるはずもなく、時は流れるばかり。そして痺れを切らせた私が「もう学校区なんてどうでもいいだろ、検索範囲を広げるぞ。」といった瞬間・・・・・「家族をとるか、土地をとるかどっちかにしなさい。土地をとったら私たちは出て行く。」
「お~~~こえ~~~(怖い)」
ここで意地を張っていたら本当に家庭崩壊でした。
家づくりのプロと言われている私ですらそんなもんです。私としては家づくりを進めるに当たり夫婦間で喧嘩がないことが不思議と思うほどです。
家づくりでの夫婦喧嘩や親さんとの喧嘩は当たり前と思ってください。
家づくりの揉め事はキムタクが解決?
じゃあ、それを解決するにはどうしたらいいのでしょう。それを解って頂くために、家づくり勉強会であるドラマのワンシーンを紹介しました。
2008年にフジテレビ系列で放映された「チェンジ」というドラマです。木村卓哉さんが総理大臣になるドラマなんですが、その中でアメリカの通商担当と交渉のシーンがありました。
「問題があったときは、僕はこういうふうに言ってました。考えようって、気に入らないことや納得できないことがあったら自分の言いたい事は言って、相手の話も聞いて そしてとことん考えよう。そうすれば・・」
途中で、補佐官が「分かり合えるですよね」と挟みます、
「いえ、違います。相手と自分は違うんだ。ということに気づくのです。」
「同じ人間だと思っているから、ちょっと否定されるだけでむかついたり・・・」
このドラマを見たときに「はぁ~~これだよ、これ。」とうなってしまいました。
いくら夫婦でも違うのです。
夫と妻は一緒に生活しているものの、全く見方が違うことが多々あるということです。むしろ殆どと言ってもいいくらいですね。だから、意見も当然違って当たり前です。
意見が違ったとき、「なんで分かってくれないんだ。」とお互い思っているから衝突が起こる。 うちはお互い分りあえている、だって夫婦だもん。という幻想が、イライラ、そして喧嘩になっていくのです。

家づくり 意見調整の仕方
それでは、どうしたら家づくりの意見調整が出来るのでしょうか?
調整できる内容
そうか~そうだな! という納得材料を相手に提示することです。
代表的なものが「お金」です。予算は共通認識になりやすく、納得できる材料です。
と、書くとやっぱり予算がたくさんあったほうがお互いに納得が出来て満足いく住宅が出来るんだろうな、残念だな。と思うでしょうか? 安心してください。私は設計事務所時代2億円を越す住宅も設計させていただきました。 はい、しっかりと家族間はもめていました。いくら予算があっても同じだと思います。
あと、納得できる材料は物理的なものでしょうか? 土地の大きさとか、通勤通学のこととか、あとは夫婦共に認める相手の趣味の場所とか。
まあ、上記に書いた内容でももめるのですが。
それでも夫婦の意見が合わないときは?
お互い意見が合わないときは、さてどうしたらいいのでしょう。
結論から申しますと、何ともなりません。だって、納得できる材料が無いのですから。もし意見が合ったとしたら、それはどちらかが折れたということです。
いやいや、それでは困る。
そうですよね。その場合は第三者に入ってもらうのが一番。そのために私たち建築士や工務店の設計担当がいるのです。(ちょっと宣伝みたいですね)
お互いの意見を聞いてもらい、それを今までの経験と技術によって見える化(図面にするだけでなく、話をして頭に思い浮かべてもらうこともです)をして、プロとしての意見をもらう。場合によってはジャッジしてもらう。
そのためにプロがいるのですから。上手にプロを利用して家庭の揉め事をひとつでも減らせたら楽ですよ。
