今回は小さな家の事例をひとつ書きます。延べ面積56.14㎡ つまり17坪の家です。

写真は、完成してからお客様に誘われてバーベキューをしている様子です。こんな感じで、お庭にテントがジャストフィットしています。

このお宅は現在ご夫婦だけですが、3人家族の予定で設計しています。ただし、増築する余地も含めて考えています。

コンパクトハウスの外観

外観はこんな感じです。

外壁はガルバリウム仕様です。玄関前に軒をつけて自転車等もここに置けるようにしました。

居間のブラインドをあまり下げなくても済むように木の目隠しを造っています。また、木の目隠しの手前は車を止めるスペースとなっており、居間から車の姿をあまり見なくてもいいようにしています

木の目隠しが外と内の結界のようになっているのです。

中から見るとこんな感じです。

小さな家をつくるときの工夫

少し段差がついているのは、腰掛けられるようにということもあるのですが、空間を切ってメリハリをつけたい(表現がうまくなくてすみません)という考えからです。

サッシの下枠を隠すような収まりにしているのですが、外のデッキと一体に感じるようにして、デッキまで内側に取り込もうと試みています。

コンパクトな家を造るときには「見え方」というのが重要で物理的には広くはならないものの、いかに視覚的に広く感じさせるかがポイントになります。

メインの部屋です。食事やくつろぐとき、全てこのテーブルです。テーブルは私が造りました。

小さな家に住むコツ

小さな家に住むコツは「場所を決めない。」ということです。

ここはリビング、ここはダイニング、ここは寝室・・・そんな余裕はありません。例えばお茶を飲むとき、テーブルと前の写真の段差のところにお互いに腰をかけて語らったり、遅く帰ってきたご主人が食事をするテーブルの一角でお子さんが勉強をしたりと、こんな生活を楽しめることが、小さな家にすむ条件です。

メイン部屋の上は吹抜けです。贅沢ですね。もしかしたら無駄だと思いますか?

私は小さな家ほどこのような一見無駄と思われる空間が大切だと思います。それは、生活に変化をつけられるようにするためです。この吹き抜けは「視線」の変化です。ふと上を見ると凄く広い空間が広がっている。それによって空間が広く感じる、また、2階とのつながりをつけさらに広がりを感じてもらう。そんな思いでつくりました。

この例の他に、2帖ほどの小上がりを造ってみたり、段差をつけてみたりすることもあります。これらについては、今後事例と共に説明します。

そうそう、こういう空間をつくるとき間違えちゃいけないことがひとつあります。それは「非日常」を狙うことです。要は突拍子もないものをくっつけたり、デコデコさせたりすることです。 非日常は、住んで数ヶ月はいいのですが、そのうち住民には日常となり最後には飽きとなります。そして、結果、驚いてくれるのはたまに来るお客さんだけという悲惨な結果になります。

ついでですからキッチンを載せておきます。こんなふうに手作りで作っています。キッチンに立ちながら外が見れるように窓をつけました。

2階は寝室と物置になっています。仕切りはありません。

左の障子をあけると、1階のメインの部屋の吹き抜けとつながります。

天井高さは抑えてあり、光もスタンド等を使い光の重心を押さえています。それによって落ち着きのある空間になっています。

天井の高さは?

天井の高さは、高ければ高いほど気持ちいい。確かにそうです、それに高くしておけばお客様より文句を言われることはまずありません。

ただ、低い天井がよい空間があります。落ち着く空間が出来るのです。部分的に2メートルを切るような高さも結構提案しています、

低い天井を提案するのは結構勇気がいるのです。ただ、いいものはいいので、勇気を持って提案させていただいています。

2階はこの部屋のみです。2つの部屋にしきられるようになっています。

なお、壁の仕上げは珪藻土を使用しています。コンパクトでも仕上げ仕様は全て一流にしています。